サンヨーとパナソニック
見かけなくなった「SANYO」
Panasonic(パナソニック)とSANYO(サンヨー)はともに、日本を代表する家電ブランドのひとつとして知られています。
しかし、「SANYO」のロゴを最近見かけないと思いませんか?
これはどうしてなのでしょうか。
この記事を読むと、「SANYOのその後」がわかります。
冷蔵庫・洗濯機は、家電リサイクル法の対象品目です。処分・買い替え時は、リサイクル料金と収集運搬料金を、忘れずに支払いましょう!
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/index.html
三洋電機とは
旧・三洋電機は1947年創業の、日本有数の電機メーカーであり、
本社は大阪府守口市にありました(その後、大阪府大東市に本店を移転)。
パナソニックとは
パナソニックは、松下幸之助氏によって創業された「松下電器産業」を前身とする、日本を代表する電機メーカーのひとつです。
本社は大阪府門真市にあり、かつては「National(ナショナル)」ブランドで、高い知名度を誇りました。
パナソニックによる買収
パナソニックと三洋は、創業家の関わりがあることなどから、もともと関係の深い企業ではありましたが、
合理化のため、三洋は2010年に、パナソニック、パナソニック電工(旧・松下電工)とともに経営統合することが発表されました。
パナソニックによる子会社化
この方針に従い、三洋は、筆頭株主であった同業の大手電機メーカー、
パナソニック(大阪府門真市)により完全子会社化され、まもなく統合されました。
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ハイアールへの事業譲渡
三洋は、白物家電の製造に関して中国・ハイアールと提携関係にありました。
その経緯などから、重複する白物家電部門に関してはハイアールに売却されることになりました。
アクアは国内で開発
このため、三洋の白物家電ブランドである「AQUA(アクア)」は、中国資本になっています。
コンシューマ向け製品の製造自体はほぼハイアールが行っていますが、AQUA(アクア)ブランドの冷蔵庫、洗濯機に関しては、いまだに日本国内の研究所で研究開発が行われています。
様々な「SANYO」たち
無関係
実は、「SANYO」というブランドは、以下の通り様々な企業が用いています。
しかしそのほとんどが「三洋電機」とは関係ありません。
三洋と関係「なし」
以下のブランドは、三洋と関係がないと考えられます。
即席麺の「SANYO」
東京都港区に本社を置く「サンヨー食品」は、インスタントラーメン「サッポロ一番」で有名な食品メーカーです。
服の「SANYO」
海外ブランドのライセンス生産などでも知られ、東京都新宿区に本社を置くアパレルメーカー、「三陽商会」のブランドです。
鉄鋼の「SANYO」
日鉄系で、姫路市に本社を置く「山陽特殊製鋼」が展開しています。
化学の「SANYO」
東証一部上場で、豊田通商や東レも出資する京都市の企業、「三洋化成工業」のブランドです。三洋電機との関係はなさそうです。
建材の「SANYO」
東証一部上場企業「三洋工業」のブランドです。三洋電機との関係はなさそうです。
電車の「SANYO」
山陽電車(SANYO ELECTRIC RAILWAY)「シーサイドエクスプレス」で知られ、バスや百貨店などでも知られるこのブランドは、
神戸市に本社を置く、「山陽電気鉄道」が展開しています。
産業用電機の「SANYO」
クーリングシステムの「San Ace」や、パワーシステム、サーボシステムなどで著名な「SANYO DENKI」は、
東京都豊島区に本社を置く東証一部上場、「山洋電気」が展開しています。
鋼管の「SANYO」
東京都中央区に本社を置く、伊藤忠丸紅鉄鋼系の「三陽商会」が展開しています。同社はアパレルの「三陽商会」とは無関係です。
缶詰の「SANYO」
まぐろフレーク油漬「プリンス」シリーズで知られる、静岡県焼津市の「STIサンヨー」(STIフードホールディングスの傘下)など、複数の企業が同様のブランドを使用しています。
遊技機の「SANYO」
名古屋市の、三洋物産という企業が展開しています。
三洋と関係「あり」
以下のブランドは、三洋と関係があると考えられます。
住宅の「SANYO」
「サンヨーホームズ(Sanyo Homes)」は、大阪市に本社を置く住宅メーカーです。
この企業は農機メーカー大手の「クボタ」と、「三洋電機」の流れを汲んでおり、発足当初は「三洋ホームズ」という名前でした。
このため実は、三洋とサンヨーホームズは関係があります。
鳥取の「SANYO」
鳥取市に本社を置く企業、「三洋テクノソリューションズ鳥取(旧・鳥取三洋電機)」が展開しています。
この企業は、もとは三洋電機の子会社でした。
インドの「SANYO」
インド市場における「SANYO」ブランドは、現地での根強いブランド力を踏まえ、
パナソニックが、インド限定で三洋電機のブランドを復活させたものです。
まとめ
- 三洋電機は、パナソニックに買収および統合されました。
- 三洋電機の白物家電部門は、「AQUA」として分離されました。
- 「AQUA」は現在、中国企業の子会社です。
- 三洋電機とは無関係の「SANYO」ブランドがたくさんあります。
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