Kaspersky(カスペルスキー)の正体
Kaspersky(カスペルスキー)は、世界トップクラスの検出率を誇るセキュリティソフトです。一方、その実体が広く知られているわけではありません。
そもそもカスペルスキーとは
読み方は「カスペルスキー」
「Kaspersky」と書いて「カスペルスキー」と読みます。
セキュリティソフトを開発
カスペルスキー セキュリティという情報セキュリティソフトを展開しています。似たようなソフトで有名なものとしては、ウイルスバスター
などが挙げられます。個人向けのPC、モバイル用マルウェア対策ソフトのほか、法人向けのPC、サーバー用製品などがあります。
会社名はKaspersky Lab
カスペルスキーの会社名は「AO Kaspersky Lab(カスペルスキー・ラボ)」であり、「Lab(ラボ)」は「Laboratory(ラボラトリー)」の短縮形で「研究所」などを意味します。

なぜ欧米の警戒を招くのか
米政府機関で使用禁止
カスペルスキーのセキュリティ製品は西側諸国、特に米国においては常に警戒の対象となっており、とうとう米国における政府機関などでの使用が禁じられてしまいました。


西側諸国で警戒を招く原因
地政学的問題
米国などで警戒の対象となる原因、この最大の理由は地政学的な問題であると考えられます。かつて旧・ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)を中心とする東側諸国と、米国(アメリカ合衆国)を中心とする西側諸国が対立した「冷戦(Cold War)」と同様の図式です。

ロシア製
カスペルスキーはロシアの企業
カスペルスキーの公式サイトには「英国に持株会社がある」などの記載のみしかありませんが、実際のところカスペルスキーはロシア連邦の首都・モスクワに本社があるとされており、実質的にはロシア企業であると考えられます。
公式にも一応記載がある
一方、「カスペルスキーセキュアコネクション for Mac」のヘルプサイトには、「1997年にロシアで創業した」との記載があります。
創業者はロシア人
カスペルスキー・ラボの創業者はユージン・カスペルスキー氏であり、同氏はロシア連邦ノヴォロシースク出身のロシア人です。


経営陣もロシア人
また、経営陣と技術者についても、ロシア人がずらりと名を連ねています。
解析拠点についても長らくロシア国内にあるとみられてきましたが、米国などで高まる不信感を受けて、西側諸国向けの解析拠点をスイス・チューリッヒ、およびスペイン・マドリードに開設したということです。アジア等への設置についても検討中とされています。

実質的な変化は?
もっとも、西側諸国向け開発解析拠点が移転したからといって、ロシアの本部が閉鎖されたわけでもなく、ロシア人経営者や技術者が解雇されたわけでもないため、実際は地理的に移動がなされたというだけなのかもしれません。実体は同社にしかわかりません。

KGBとの関係は
カスペルスキーの創業者は、かつて旧・ソ連国家保安委員会(KGB)の技術学校で訓練を受けたとされることから、同社と諜報機関の関係を疑う説もあります。一方、同社はそれについて、時系列的にありえないと否定しています。

スパイ行為は否定
カスペルスキーや同社の経営陣は、同社とロシアの諜報機関やロシア政府、ロシアのハッカー集団などとの関係性を度々否定しています。しかし、あくまで同社がそう言っているだけなのです。






カスペルスキーは危険なのか
カスペルスキーは守る側の企業である
最初に認識しておきたいのは、カスペルスキー自体が情報セキュリティソリューションを提供する企業であり、ユーザーを守る側に位置しているという点です。実際に、カスペルスキーは公式サイトなどで積極的にセキュリティ情報を発信していますし、最新の脅威に対応するための研究努力を日々重ねています。少なくとも単なる一般ユーザーとして利用する限りにおいては、カスペルスキーを危険と認識する必要はないと考えられます。むしろ、マルウェアの方がよほど危険です。

優れたソフトではある
カスペルスキーが世界トップクラスの検出率を誇る、非常に優れたセキュリティソフトであるという点は紛れもない事実です。それは、独立した複数の第三者機関によるテスト結果に裏付けられています。
米国製は問題ないのか
実際のところ、ロシアに限らず米国、中国、韓国、イスラエルなど情報機関を有するとみられる国というのは、何かしらの諜報行為を行っていると考えられています。それが表立って意識されるようになったのは、やはり米国における監視活動を暴露した、スノーデン事件が契機であると考えられます。



ロシアであるということ
ただそれがカスペルスキーやシマンテックなどのセキュリティソフトと関係しているかは、よくわかっていません。憶測の域を出ないのです。最終的には、個々人の政治的立ち位置やリスク評価に帰結するのではないでしょうか。
おすすめのセキュリティソフトなど
カスペルスキーを削除したほうが良いのですか?
(み)現時点でカスペルスキーを使っていて、特に不満がないのであれば削除する必要はないと思います。お金がもったいないです。
カスペルスキーを導入しないほうが良いのですか?
(み)これからカスペルスキーを導入しようか迷っている場合、利用目的と合致するのであれば使ったほうがよいと思います。マルウェアやランサムウェアといった、セキュリティ上の脅威からデバイスを保護するうえで、セキュリティソフトの利用はとても大切です。
私は公的機関の職員なのですが、どうすれば良いのですか?
(み)一方、あなたが政府機関や国防関連産業等に従事している場合は、組織の指示に従ってください。
軽くて高性能なソフトはあるのですか?
実際に使ってみた中で、個人的に優れていると感じたセキュリティソフトは、Avast(アバスト)と
ESET(イーセット)です。


最も、アバストは無料アンチウイルスなどにおいて個人情報販売騒動を起こしており、不透明な部分もあります。プレミアム(有料)版に関しては問題ないと思います。



更新料が格安のものはないのですか?
(み)格安のものとしては、インド製ですがZERO ウイルスセキュリティというものがあり、1台1980円で使えます。Windows Defenderと併用するとよいのではないでしょうか。複数台だとキングソフトのほうが安いのですが、こちらは中国企業が展開するソフトで中国製になります。
大量のデバイスがある場合、どのようにコストを抑えれば良いのですか?
(み)PCモバイル合わせて5台までならESETがお得です。6台を超えるようだと、
ESET複数か、もしくは事実上台数無制限のマカフィー リブセーフ
(米国製)や、カスペルスキー セキュリティ
プレミアライセンス(ロシア製)のほうがお得かもしれません。

ウイルスバスターやノートンは、おすすめできないのですか?
(み)コストが許容できるのであればウイルスバスターやノートン
(米国製)も別に悪くはないと思います。普通に売れていて実績もありますし、結局のところ利用目的に合うか合わないかではないでしょうか。

無料のものはないのですか?
(み)Windowsにもともと入っているWindows Defenderは無料ですが、性能のほどはよくわかりません。また、広告が表示されたりしますが、アンチウイルス機能のみなら前述のAvastのほか、AVG、Aviraなどが無料版を提供しています。ただ、個人情報がサンプルとして使われている可能性は想定したほうがよいと思います。こちらは検出率などは問題ありません。
他に有名な国で製造されたソフトはないのですか?
(み)GDATAはドイツ製だったと思います。JungleのG DATAストアはこちらです。
純日本製のソフトはないのですか?
(み)純日本製というと、FFRIのものなどがありますがホワイトリスト方式になると思います。一応、日本企業が関わるセキュリティソフトについてはこちらにまとめました。

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