サンディスク(SanDisk)はどこの国のメーカー?日本と関係ある?中国製?
通販サイトでmicroSDカードやSSDを検索すると、
「SanDisk(サンディスク)」というメーカーの製品が多くヒットします。
では、サンディスクはどこの国のメーカーなのか、
製品にはどういった特徴があるのかなどを詳しく見ていきましょう。
サンディスクはどこの国のメーカー?
「サンディスク」は、1988年にアメリカで設立されたmicroSDカードなど
フラッシュメモリ製品を主に製造・販売するメーカーです。
元々は独立したメーカーでしたが、
2015年に同じアメリカのHDDメーカーだったウェスタンデジタルに買収されます。
買収とともにウエスタンデジタルはフラッシュメモリ市場に参入、
現在のサンディスクはウエスタンデジタルのフラッシュメモリ製品ブランドとなっています。
ウェスタンデジタルに買収される前から日本法人を設立して日本に進出しており、
買収後は日本法人の社名もサンディスクからウエスタンデジタルに変わりました。
SanDiskは米国企業のブランド
SanDisk(サンディスク)は
アメリカ合衆国の「Western Digital(ウエスタンデジタル、WD)」
という企業が展開するフラッシュメモリ製品のブランド名です。
サンディスクとは
SanDiskは
世界最大のメモリカード(SD、microSD、CF、MS、USBメモリなど)ブランドです。
近年はSSD(Solid State Drive、ソリッドステートドライブ。
フラッシュメモリを記録媒体に利用したコンピュータのストレージのことを指す)
事業に注力しています。
ウエスタンデジタルとは
Western Digital(ウエスタンデジタル)は、
アメリカ合衆国に本社を置く世界最大の
HDD(ハードディスク駆動装置、ハードディスクドライブ)メーカーです。
WDの本社は米カリフォルニア州サンノゼ
(5601 Great Oaks Parkway San Jose, CA 95119)にあります。
もとは別の企業だった
もともとサンディスクは
「SanDisk Corporation」という独立企業でした。
本社は、米カリフォルニア州ミルピタス
(951 SanDisk Drive Milpitas, CA 95035)にありました。
2015年10月にWDはSanDiskを総額約190億ドルで買収すると発表
その後経営統合しました。
それに伴い日本法人も統合し「サンディスク株式会社」から
「ウエスタンデジタル合同会社」に社名変更および組織変更を行いました。
WDブランドのSSDが登場
買収後、SanDisk製と仕様に共通点の多い
「WD」ブランドのSSDが発売されました。
例えばSATAタイプだと、
WD Blue SSDとSanDisk Ultra SSD、
WD Green SSDとSanDisk SSD PLUSの仕様がほぼ同じになっています。
現在はWD BlueとWD Black SSDが主流になっており、
ほかのコンシューマー向けは縮小傾向にあります。
SanDisk Professional
2021年7月、グループのG-Technologyブランドなどを統合して
クリエイター向けストレージブランド
「SanDisk Professional」を新設することが発表されました。
サンディスクは日本と深い関係がある
日本に進出しているだけでなく、サンディスクは日本と深い関係があります。
キオクシアと合弁で日本製フラッシュメモリを製造
元々サンディスクは、日本の大手電機メーカー「東芝」と共同で
フラッシュメモリを開発していました。
東芝と共同で出資して三重県四日市市に製造工場を作り、
現在も四日市の工場でサンディスク製品に搭載されるフラッシュメモリが作られています。
サンディスクはウェスタンデジタルに買収され、東芝のフラッシュメモリ部門は
キオクシアとして分社・独立しましたが、両社の関係は変わっていません。
現在でもmicroSDカードなどのサンディスク製品に搭載されるフラッシュメモリは、
四日市や岩手県北上市にある工場で作られています。
日本で作られているのに「Made in China」?
サンディスク製品に搭載されるフラッシュメモリは日本で作られていますが、
パッケージには「Made in China」や「Made in Malaysia」と記載されています。
これはフラッシュメモリの製造自体は日本で行っているものの、
最終組み立てとパッケージングを中国やマレーシアで行っているからです。
最終的な製造地が中国やマレーシアなので、
パッケージに「Made in China」「Made in Malaysia」と記載されているわけです。
Made in Chinaの表記を見て購入を躊躇った人も居るかもしれませんが、
中身は日本製なので安心して購入できます。
メモリの生産拠点は日本
SanDiskおよびWD系製品に搭載されているのは、
SanDisk製フラッシュメモリです。
SanDisk製フラッシュメモリは
日本国内の工場で生産されています。
東芝とSanDiskの合弁
もともとは、
東芝とSanDiskが共同でメモリを生産していました。
主力生産拠点は四日市工場(三重県四日市市)でした。
キオクシアとWDの合弁へ
その後、東芝から分離された「東芝メモリ」は、
SanDiskと統合したWDとの合弁に移行します(組織的には同一)
四日市工場に続き、第二の生産拠点である、
北上工場(岩手県北上市)が開所されました。
東芝メモリはその後、
「キオクシア(KIOXIA)」に社名変更を行いました。
このため、現在キオクシアグループとウエスタンデジタルグループのフラッシュメモリ(前工程)は、
三重県四日市市と岩手県北上市で行われており日本製なのです。
2020~2021年には、両工場の拡張を発表しました。
さらに2023~2024年にかけても北上工場第二製造棟や
四日市工場第七製造棟などの設備投資を進めています。
横浜・鎌倉などに開発拠点
サンディスクとウエスタンデジタルの開発拠点は世界各国にありますが、
日本国内でも多数の技術者を擁しています。
サンディスクのフラッシュメモリは三重県四日市市のほか、
横浜市栄区と神奈川県鎌倉市に開発拠点があります。
また、ウエスタンデジタルのHDD開発拠点が
神奈川県藤沢市にあります。
なお、提携先であるキオクシアの開発拠点は、
三重県四日市市のほか横浜市栄区と横浜市神奈川区にあります。
製品の工場は中国・マレーシア
SanDiskのフラッシュメモリは日本で生産され(前工程)
中国でパッケージング(後工程)が行われています。
また、SanDisk製品(SSD、microSDなど)は
中国とマレーシアの工場で製造(最終組み立て)されています。
サンディスク製のSSD、SDカード、
microSDカードをそれぞれ実際に購入してみたところ、
SSDは「Made in Malaysia(マレーシア製)」
と記載があり、
microSD、SDカードはともに「Made in China(中国製)」
と記載がありました。
また、いずれの製品も中国で包装されていました。
組み立てや梱包をアジア諸国で行いコストを削減しているようです。
サンディスク製品の特徴
サンディスクのmicroSDカードの特徴として第一に挙げられるのが
「汎用性の高さ」です。
パソコンやスマホ、タブレット、ドライブレコーダー、家庭用ゲーム機など
microSDカードを記憶媒体として使う機器が増えています。
サンディスクのmicroSDカードは、
microSDカードを記憶媒体とするほとんど機器で使用可能です。
実際に通販サイトでサンディスクmicroSDカードのレビューを見ると、
パソコンやスマホはもちろん
・デジタルカメラ
・Nintendo Switch
・ドライブレコーダー
・防犯カメラ
など様々な機器で使われていることが分かります。
他メーカーのmicroSDカードだと、
購入したけど使いたい機器で使えなかったといったケースも出てきます。
サンディスクのmicroSDカードはほとんど機器で使えますから、
迷ったらサンディスクを買えば良いというぐらい汎用性が高いです。
耐久性が高い
サンディスクのmicroSDカードは「耐久性の高さ」も大きな特徴の1つです。
サンディスクではmicroSDカードに対して
・防水
・耐温度
・耐衝撃
・耐振動
・耐X線
のテストを行っています。
水深1mの海水もしくは淡水に72時間浸かっても大丈夫な防水性を持っており、
少々水に濡れたぐらいではデータは消えません。
摂氏-25度から85度の間で動作確認が行われており、
雪が積もるような寒さでも気温40度の暑さでも問題なく使えます。
最大500Gの衝撃に耐えられるので、
5メートルの高さから落としても5トントラックに轢かれても壊れません。
X線の影響もほとんど受けませんから、
空港などでのX線検査でもデータが消える心配がありません。
かなり過酷な環境にも耐えられるので、
バイクのドライブレコーダーにもサンディスクのmicroSDカードは使用可能です。
読み取り速度も書き込み速度も速い
microSDカードから読み取る速度もmicroSDカードにデータを書き込む速度も、
サンディスクは速いです。
例えば、サンディスクのエクストリームの場合、
5GBのデータを2分ほどで読み込めます。
もちろんもっと速く読み込めるmicroSDカードもありますが、
4~5分かかるものもあるので5GBを2分はかなり速い方です。
書き込み速度は約50MB/Sで、1GBのデータなら20秒もぐらいで書き込めます。
他メーカーと比べて格段に速いわけではないものの、
読み取り・書き込みいずれの速度もかなり優秀と言えます。
まとめ
SanDisk(サンディスク)は、アメリカのフラッシュメモリ製品メーカーである
Western Digital(ウエスタンデジタル)のフラッシュメモリブランドです。
かつての東芝、現在のキオクシアと共同して日本で半導体を製造しており、
安心して使えるブランドとなっています。
つまり日本製のフラッシュメモリを搭載した、
中国製またはマレーシア製のSSD、microSD、SD、CFカード等ということになります。
品質はトップクラスの高さですから、
「迷ったらとりあえずサンディスクを選べばOK」と言っても良いぐらいです。