国産クラウド利用による国家機密上および経済安全保障上のメリットとは
日本企業が開発し、国内向けに提供する「国産クラウド」がにわかに脚光を浴びています。
国家機密上及び経済安全保障上のメリット、また、日本経済への良い影響についても見ていきたいと思います。
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運営会社が日本企業で国内資本である
まず、国産クラウドの運営会社は、原則として国内資本です。
日本国内に本社があり、日本人の経営者が日本人スタッフを雇用し、
日本の技術者がシステムを開発し、日本のデータセンターでサーバーの保守管理が行われています。
また、富士通やNEC、日立製作所などといった、日本メーカー製のサーバーが採用されることも多いです。
外国政府の影響下にない
これらのことから言えるのは、雇用創出への貢献という見方以外に、
安全保障上、外国政府の影響下にないということがメリットです。
提供国との間でトラブルが起きた場合
例えば、日本と政治的に対立があるA国に本社がある、クラウドサービスを利用したとしましょう。
仮に日本とA国の間で何か致命的なトラブルが発生した場合、A国政府が影響力を行使し、
クラウドが使えなくなったり、データを抜かれてしまったりということがないとは言い切れません。基本的にはないはずですが。
契約上そんなことはありえなくても、外国では常識が通じないということは多々あります。
有事の際に「ハイブリッド戦」が行われるとの見方も
初代陸上自衛隊システム防護隊長である、伊東 寛氏は、
「サイバー攻撃による通信・重要インフラの妨害」などが記載された、防衛白書の記述を引用しつつ、
今後有事の際にはハイブリッド戦がとられるのでは、との見解を示しています。

外為法改正による影響
上記のことが仮に起こりえないとしましょう。
そうであっても、業種によっては法律上の対応が必要になってくるかもしれません。
実際に、外国為替及び外国貿易法(外為法)の改正により、クラウドサービスに関する条項が設けられました。


上場企業による運営も
国産クラウドの運営会社は、東京証券取引所に上場する企業が多く、透明性の面でも安心できます。
一例を挙げれば、
富士通

インターネットイニシアティブ(IIJ)

NTTデータ

GMOグローバルサイン・ホールディングス

さくらインターネット

といった具合で、ほかにもたくさんあります。
データセンターが国内にあることが多い
国産クラウドサービスは、国内データセンターをメインとして使用していることが多いです。
一例として、大手の保有データセンター数を見てみましょう。
富士通
→ 関連会社も含めて数えると50程度であり、かなりの数になる。
IIJ
→ 主要なもので16センターは確認できた。
ここまで大規模でなくても、例えばGMOインターネットグループだと、東京都品川区にハウジング用のデータセンターを保有し、
さらに自社サービス向けとして、首都圏や福岡県などの国内データセンターに賃貸で入居するなどしています。
外資系は海外データセンターが主
一方の外資系クラウドサービスは、海外データセンターが主となります。
もちろん例えばAWS、Google Cloud、Azure、Alibabaのような大手のサービスでは、
東京リージョン等の、日本国内データセンターを選択できる場合もあります。
ただ、あくまでサービス全体としてのメインは、米国や中国等の海外データセンターになるという話です。
地域経済の振興にもつながる
また、国産クラウドを利用することは、地域経済の振興につながります。
クラウドサービスを運営する日本企業や、その従業員の皆さんに恩恵が行くことはもちろんですが、
データセンターが国内に増設されるためです。
日本政府および総務省は、首都圏から各地へのデータセンター立地分散を図っており、
これらの利用が増えることで、立地自治体も増加すると考えられます。
VPSや共用サーバーでも同様
以上は、クラウドサービス(パブリッククラウドやプライベートクラウド)についてということで見てきましたが、VPSや共用サーバーでも同じことが言えます。
特に、サイト構築などでは規模的にVPSのほうが適している場合もありますので、以下の記事も併せてご覧いただければと思います。

まとめ
機密性の高いシステムで国産クラウドを利用することは、国家機密を保持するうえでメリットがあると考えられます。
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